おしっこが近くなる病気で悩まされている方は多いと思います。このような病気の代表が「過活動膀胱」になります。最近の調査で40歳以上の男女の8人に1人が、過活動膀胱の症状をもっていることがわかりました。そうすると実際の患者さんの数は、800万人以上ということになります。一般的には過活動膀胱はお薬で治療します。しかしながらお薬で効かない過活動膀胱の方がかなりの確率でおられることがわかってきました。そのような方に効く治療として欧米では「ボトックスの膀胱壁内注射」があります。これはボトックスといいものを膀胱の壁に直接注射する治療です。ボトックスというのはボツリヌス菌によって産生されるA型ボツリヌス毒素を有効成分とする注射剤です。毒素というの恐ろしい感じがしますが、医療や美容の領域では非常に多く使用されております。このボトックスは局所の筋肉を弛緩させるため、眼瞼痙攣、痙性斜頸、など筋肉の過緊張の治療に有効です。また美容など領域ではしわのばしとして非常に多く使用されています。芸能人がされているといって有名ですよね。世界で数百万人がこの薬による治療を受けているような世界的には一般的なお薬です。
そのボトックスの膀胱壁内注射は膀胱のしわのばしというようなもので、これまで薬でも効かなかった患者さんに対しておこなわれ、頻尿や尿もれが改善するというような有効性がみとめられています。ほとんど副作用もありませんが、デメリットとしては自費診療になるので10万円くらいかかることと効果は10-12ヶ月くらいしか効果が持続しないことです。効果がうすれてきたときには再度行うことも可能です。北九州総合病院、亀田総合病院でもこの治療は示指診療として行っております。詳しいことは専門医に相談するとよいと思います。
手術は日帰りで30分くらいで終わります。まだ症例はあまり多くないですが行われた方の成績は海外で成績と同様に良好です。さらに情報はアップしていきますね。