TVM手術は子宮温存手術です。

子宮をとるようにいわれたのだけど、という患者さんがいます。従来法では基本的に子宮はとって治療していました。最近、広まっているTVM手術は、基本に子宮を温存します。子宮を温存したほうがメッシュびらんが少ないというデータもフランスのグループから報告されています。それでとくに子宮に異常がなければ極力子宮を温存するようにしています。もちろん子宮に異常があったり、癌家系で子宮癌が心配な場合は膣の方から子宮をとってTVM手術を行います。これでも全く問題ないのですが、子宮をとる分すこし手術時間が長くなります。骨盤臓器脱に関する我々のポリシーとしては極力子宮温存です。できるだけからだに優しい手術を心がけています。よく例えで、女性の子宮はメルセデスベンツのボンネットにある丸いエンブレムみたいなものと説明しています。三ツ矢サイダーみたいなエンブレムがポッキッと折れてなくなっても、ベンツはベンツです。でもなんかさびしいですよね。子宮も同じで、子宮がなくなっても女性は女性。でもなんかさびしいですよね。病気があればしかたがないです。でも病気がないときは極力温存したほうがよい気がします。

メッシュ手術は子宮をとらないの?

基本的にはメッシュ手術は子宮をとらずに行うことができます。もちろん子宮をとって行うことも可能です。子宮をとるかとらないかは、本人の希望が最も優先されます。とくに子宮に病気がない場合は基本的には子宮をとらないメッシュ手術を希望される方が多いと思います。当院では90%以上の方が子宮をとらないメッシュ手術を希望されています。がん家系であったり、今後の子宮の検診がわずらわしいとかいう理由でで子宮をとられるかたもいます。子宮をとることのメリットは子宮癌のリスクがなくなることです。担当の先生とよく相談して下さい。

メッシュ手術ってどのくらいの入院

骨盤臓器脱のメッシュ手術では7-8日くらいの入院です。基本的には翌日からは普通通りに動けます。ただおしっこの管が3日間はいっていますのでおしっこの管を抜いてちゃんとおしっこがでているのをかくにんしてから退院になりますので、だいたい7-8日になります。術後ゆっくりするのもたいせつですので。メッシュが体に適合するためには。

メッシュ手術は子宮をとらないの?

メッシュ手術は子宮をとらずにできるの?っていう質問が多くでてきます。基本的にはメッシュ手術は子宮をとらずに可能です。
ただし子宮をとって行うことも可能です。
とくに子宮に異常がなかったらほとんどの方は子宮をとらずにメッシュ手術を行います。

メッシュ手術
細胞組織に親和性の高いメッシュシートをハンモックのように使って、弱った骨盤底を補い、臓器の下垂を防ぐ方法。
再発は今のところ、5%ほどで、自覚症状を感じる人はもっと少ないです。
「術後は快適に過ごせる」と考えて良いでしょう。

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術中エコーを使ったTVM手術

今回は骨盤臓器脱の治療、TVM手術について少し専門的なことを書かせていただきます。TVM手術は膣のほうから非常に小さな創で手術を行います。なれた先生にとっては、それほど難しい手術ではないのですが、決して簡単で誰でも出来る手術ではありません。わたしが働いている亀田総合病院ではより安全、確実な手術をめざすということでTVM手術中に超音波をつかって、骨盤臓器を可視化するという高度な技術をつかっています。この手術により、出血を減らし、他臓器を傷つけたりするのを防ぐことが出来るというすばらしい方法です。この技術も、手術室に最新の超音波が必要ですのでどこの病院でもできるわけでありません。この方法について興味のある患者さん、医療者はコメントなどをいただけるとよいかと思います。

Filed under: 骨盤臓器脱の手術 — nomusan 9:56 PM
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