TVM手術は子宮温存手術です。
子宮をとるようにいわれたのだけど、という患者さんがいます。従来法では基本的に子宮はとって治療していました。最近、広まっているTVM手術は、基本に子宮を温存します。子宮を温存したほうがメッシュびらんが少ないというデータもフランスのグループから報告されています。それでとくに子宮に異常がなければ極力子宮を温存するようにしています。もちろん子宮に異常があったり、癌家系で子宮癌が心配な場合は膣の方から子宮をとってTVM手術を行います。これでも全く問題ないのですが、子宮をとる分すこし手術時間が長くなります。骨盤臓器脱に関する我々のポリシーとしては極力子宮温存です。できるだけからだに優しい手術を心がけています。よく例えで、女性の子宮はメルセデスベンツのボンネットにある丸いエンブレムみたいなものと説明しています。三ツ矢サイダーみたいなエンブレムがポッキッと折れてなくなっても、ベンツはベンツです。でもなんかさびしいですよね。子宮も同じで、子宮がなくなっても女性は女性。でもなんかさびしいですよね。病気があればしかたがないです。でも病気がないときは極力温存したほうがよい気がします。