尿の検査に異常がないのに、トイレが近くなったり、膀胱のあたりが気持ち悪い、あるいは痛む病気です。
それ以外にも、排尿後の膀胱や尿道の違和感、常にトイレに行きたい感じがするなど、多彩な症状を呈します。
ポイント
症状は膀胱炎に類似しているのに、尿検査に異常(細菌)がない
普通の膀胱炎は、細菌性膀胱炎といい、ばい菌によって引き起こされるため、尿検査で異常がみられます。一方、間質性膀胱炎の原因は、ばい菌ではないため、尿検査に異常はなく、普通の膀胱炎治療に使う抗生剤(ばい菌を殺す薬)は効果がありません。間質性膀胱炎は、良くなったり、悪くなったりを繰り返しながらだんだんと進行していくことが多いようです。進行すると、非常におしっこが近くなったり、膀胱に痛みを伴うようになり、治療も難しくなります。
ポイント
細菌性ではないので、抗生剤が効かない
良くなったり、悪くなったりを繰り返す
頻尿、膀胱痛を伴う
現在のところ、はっきりとした 原因は不明です。
おそらくは、膀胱の壁がうすくなり、尿が浸みこみ刺激となって炎症を起こすと考えられています。
間質膀胱炎の膀胱内は、通常の状態では特に異常は見られません。そのため、診断には、麻酔下で膀胱水圧拡張術をおこなった時の膀胱鏡所見が大切です。膀胱水圧拡張術とは、膀胱の中へ水を注入し、その水圧で膀胱を広げる手術です。検査で行う場合、十分に広げる必要がありますが、痛みをともなうため、麻酔が必要になります。膀胱水圧拡張術で膀胱を広げながら、膀胱鏡で内部を観察すると、散在性の出血や粘膜の亀裂が現れます。このように膀胱水圧拡張術で点状出血、五月雨状出血や潰瘍など、間質性膀胱炎に典型的な所見がみられれば、診断が確定します。
実はこの膀胱水圧拡張術は、検査であると同時に、もっとも有効な治療でもあります。
そのため、通常は治療をかね短期間の入院で行います。
間質性膀胱炎は重症になると、痛みが強くなり、治療も難しくなります。そのため、少しでも間質性膀胱炎の疑いのある患者さんには、膀胱水圧拡張術をおこない、診断をつけることが勧められます。まず診断をつけなければ前には進めませんので、おしっこが近くなったら、「気のせい」とか「歳のせい」として安易にあきらめないことが大切です。そうすることが排尿の悩みに向き合う第一歩だと思います。排尿の問題も癌と同じで、早期に対応すれば、ほとんどは良くなります。
間質性膀胱炎という病気に向き合い、我々と共に克服しましょう。
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