患者を生きる 女性と病気 骨盤臓器脱①

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昨年の8月、全国紙のA新聞で6回にわたり連載された記事を紹介します。ある患者さんの体験談です。共感されるかたも多いのではと思います。
骨盤臓器脱①
 兵庫県宝塚市の主婦、稲垣孝子さん(56)が体の異変に気づいたのはちょうど50歳のころ。2005年の年明けだった。風呂で座って体を洗っているときに違和感を感じた。股にに何かはさまっているような・・・。
 おそるおそる、指先で確かめてみた。膣の入口の付近に何か飛び出している。大きさはピンポン球くらい。触れると表面はつっるとして、ゴムボールのような張りがある。
 「これ、なに?」
 立ち上がってみると、奥へ引っ込むのか、消えてしまう。痛みなどは特にない。「いったい何だろう」。全く見当がつかないまま、大阪市内の病院へ行き産婦人科を受診した。
 「子宮脱ですね」
 医師にそう言われた。
 子宮脱とは「骨盤臓器脱」のひとつ。女性の骨盤の中には子宮や膀胱、腸などの臓器がおさまっている。こうした臓器を骨盤底筋群という筋肉や靭帯などがハンモックのように下から支えている。それが緩んだり傷ついたりすると、膣を圧迫するように落ちてきて膣壁とともに外へ出てくる。
 その臓器が子宮の場合は「子宮脱」、膀胱なら「膀胱瘤」、直腸だったら「直腸瘤」などと呼ばれる。いずれにしても、臓器そのものに損傷などがあるわけではなく、命を脅かす病気ではない。しかし、不快感が続き、排尿障害や性生活に影響するなど、生活の質の低下をもたらす。
 原因は加齢や肥満など。特に中高年に多いとされる。出産も原因になる。赤ちゃんが産道を通る際、筋肉などを傷つけてしまうことがあるからだ。経腟分娩を経験した女性の半数近くに何らかの症状がある、という海外の調査結果もある。
 そういえば、稲垣さんには思いあた事がある。26歳で初産を迎えてから、計4回の出産を経験した。いずれも3千㌘を超す大きな赤ちゃんだった。出産時やがん検診を受けたとき、医師に「将来、子宮が下がってくるかもしれない。重いものは極力、持たないようにね」と注意された。
 それにしても、まさか膣から臓器が飛び出してくるなんて、「想像すらしていなかった」。

image-inagaki0  次回「骨盤臓器脱②」に続く。急いで続きが見たい方は、ウロギネねっとへ

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カテゴリー: 掲載・メディア, 病気のはなし, 骨盤臓器脱 — admin 10:06 PM
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